3日遅れの投稿です。
震災後初めてのサーフィンとなった。
別に自粛していたわけではなく。(多少あったかも)
ただ手持ちのセミドライのウェットが5シーズン目に突入し、
しかも当時3万円以下のバッタ物を購入した為に
防水は悪いわ、穴は開くわで冷水が浸入し、とても
水温の冷たい時期に耐えられる代物ではではなく、水温上昇と
気力UPのこの時期まで待っていた。
(年のせいもあり、気合が入らない)
しかし、いよいよサーフシーズン到来だ
この日は朝から南の強風が吹いており、南のうねりは予想出来た。
波情報を持っていない僕は感を頼りにまずは一宮周辺をチェック
南うねりのレギュラーがいい! 波数が少し多いが問題なし。
見た感じ、 選べばグーフィーもいけそうだ。
サイズは見た感じだと、セットで肩、スーパーセットで頭?
というところか?
なんとか50日ぶりの僕でもゲットは支障ないだろう。
しかも入っているサーファーは4人か5人。
平日とはいえこのコンディションでこの人数 「う~ん・・・・少ないな・・」
多少戻りつつあるが震災の影響はまだ残ってるようだ。
早速着替えて、ストレッチ。
またウェットがきつくなっている。 困ったもんだ。
しかも、50代の声がだんだん近づき身体も硬く曲がらない。
トホホと思いながらも、身体を時間かけてほぐしたあと入水。
ブーツを履いてない素足で水温を確かめる。
「なんとかいけそうだ・・」 そしてパドルアウト。
しかし、50日ぶりのパドリングはキツイ!
腕が上がらないのとなにより背筋力が低下しており
上体を反らす事が出来ないので、スムースに肩を回せない。
最初のスープでドルフィンを試みる。 水温的にはまだまだ気合が必要だ。
「トリャーー」と深く潜ろうとしたが板が沈みこまず、波に戻されてしまう。
しかも首周りから大量の海水が 「ドボドボ」 と浸入
「ちきしょう! 今年の冬はいいウェット買うぞ!・・・ローンだけどね・・」
と気合をいれた。
岸からみた感じだとゲットは楽そうだったが 「なんのなんの」
この不摂生な身体にはなかなかのハードワークだ。
しかし、どうにかこうにかアウトに出る事が出来た。
思いのほか風が強い。 「フーー」 疲れたので少し休憩だ。
見渡すと幅250メートルの間にサーファーが5人波待ちをしていた。
込み合う海は論外だが、誰もいない海で一人ぼっちというのも寂しい。
「この位がちょうど良いかもな・・」などと考え休んでていると、
風と海流で北へ流されてしまっている。
戻る為のポジションキープのパドリング開始だ。
これがまた疲れる。 疲れたところへ一発目のセットが来た。
ポジションも悪くない。心の中で 「よしよし、いける!」
とパドル全開。 が・・・波をキャッチする最後の2かきに力が入らない。
「アチャーーー」 と波を逃してしまう。
そしてまたパドル。 すでに腕が疲れた。
そんなこんなで最初の20~30分はまったく乗れずにポジションキープ
と波を捕まえる作業に没頭した。
僕の50メートル位隣にポジショニングしていたサーファーが
レギュラーのいいセットを捕まえた。 水しぶきを上げながら僕の目の前を
駆けていき、最後にはじけ飛ぶようにプルアウト。
「う~ん」 なかなかの腕前だ・・・・・
「わしも負けておれんわい」 と待っていると
沖に大きめのうねりを確認。 あわてて沖にパドリング開始。
「のれるかどうか微妙だな・・」というタイミングだったが
ピークから少し外れたショルダーでさし乗りする事に成功した。 が、
スタンディングの時に足の引き付けが上手く出来ずに板をバタつかせてしまい、
バランスを崩した。
本来ここで失速してしまうのだが波のパワーがあるのか
失速せずにボトムまで運んでくれて、ボトムターン。
またここでも前のめりになってしまい、バランスを崩す。
が、波のパワーはここでも僕の身体をトップまで引き上げてくれた。
「いい波だ・・・・乗せてくれる波だ」
トップでの切り返しは我ながら上手くいった。
そしてまたボトムへと降りる・・・
モリモリと張るショルダーにスピードはどんどん加速してゆき、
アドレナリンが放出される。
そんな動作を3~4回繰り返し プルアウトした。
心の中で 「イェーーーー」 とピースマークが飛び出す。
いい波だ本当に・・・・
一瞬で何万もの人命を奪ってしまった「波」がこんなにも快感を
与えてくれるとは・・・・・
少し前に当時WCTサーファーだった「シェーン ドリアン」が出演した。
サーフムービーを思い出した。 正直内容は What? という感じだったが
タイトルはなかなか良かった。
「IN GOD‘S HANDS」 (イン ゴッド ハンズ)
訳すると 「神の手の中」 あるいは 「神にゆだねる」 になるのか?
自然の前において・・・人間はそんなちっぽけな存在なのであろう。
「よし、イケル、イケルぞー・・今度はもっと上手く乗れるはずだ」
とまたパドリングを開始した。
日は少し傾きかけており、強い南風も少し収まったようだ。
「波はそんなに早くないな、今度はもう少しだけ真っ直ぐ滑ってみよう・・」
そんな事を考え「フーフー」言いながらきついパドリングを続けた。
次のもっといい波を乗る為に・・・・・