2015年08月10日
2015北海道旅日記(1) 旅立ち編
・
・
その時僕は苫小牧からのフェリーの船内
エコノミー部屋の狭いマットに
ゴロリと横になっていた
その巨大なフェリーは
大洗港に着岸しようとしているところだった
やれやれ また日常に帰ってきたか・・と僕は思った
フェリーが着岸を完了させると
天井のスピーカーから小さな音で
BGMが流れはじめた
それはどこかのオーケストラが奏でる
ビートルズの「ノルウェーの森」だった
そのメロディーはいつものように
僕を混乱させた
・・ああ~~夏休み終わってもうた~~
やだやだやだやだ 仕事行きたくないよ~
・・とまるで小学生のようだった
ちょっと 村上 春樹 風に綴ってみました
まあ・・
あれですわ
北海道から戻り、その旅日記です
暇な方は続きをどうぞ
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その時僕は苫小牧からのフェリーの船内
エコノミー部屋の狭いマットに
ゴロリと横になっていた
その巨大なフェリーは
大洗港に着岸しようとしているところだった
やれやれ また日常に帰ってきたか・・と僕は思った
フェリーが着岸を完了させると
天井のスピーカーから小さな音で
BGMが流れはじめた
それはどこかのオーケストラが奏でる
ビートルズの「ノルウェーの森」だった
そのメロディーはいつものように
僕を混乱させた
・・ああ~~夏休み終わってもうた~~
やだやだやだやだ 仕事行きたくないよ~
・・とまるで小学生のようだった
ちょっと 村上 春樹 風に綴ってみました
まあ・・
あれですわ
北海道から戻り、その旅日記です
暇な方は続きをどうぞ
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8月1日早朝
旅の日を迎えた
僕は昨晩 余り眠れなかった
暑さのせいもあるけど
修学旅行前夜のような気持ちの昂ぶりがあるのかもしれない
ところが、朝 飛び込んできたニュース
僕はそれを聞いて、飲んでいたコーヒーを噴出し
食べかけのサンドウィッチをポロリと落とした
一昨晩発の苫小牧行き深夜便で
火災が発生したとのことだ
・・僕の乗る船は出港するのかい?
すぐにそんな疑問が沸き、ネットで調べたら
夕方便は通常運行する と書いてあり
ほっと胸をなでおろした
船の出港は夕方6時30分
僕は午前中に水槽の水替えをし、庭の草刈をした
これをやっておかないと 彼女の機嫌が悪くなるかもしれないからだ
旅から帰って来て小言を言われるのは御免こうむりたい
僕はその後バイクのチェーンにグリスをやり、空気圧をチェック
そして荷物をシートにくくりつけた
まあ、準備はOKってとこだろう
太陽は照りつけ うだるような暑さ
今日も35℃越えだ
やれやれ
シャワーで汗を流し
ちょっと時間が早かったが
僕は出航港の大洗に出発することにした
もう 暑くてたまらないからだ
愛車TDMは快調だった
僕はこの日の為にフロントフォークのオーバーホールと
エンジンオイルを新しいカストロールに交換をしていた
ライダージャケットは荷台にくくりつけ
僕はTシャツで快走した
だが・・・それでも暑い
走ってるぶんにはなんとかいいが、信号待ちが辛かった
鹿島スタジアムが見えてきた
ここまで来れば大洗港までもう一息
さらけ出した腕が太陽に焼けジリジリと痛かった
日焼け止め持ってくればよかったと僕は後悔した
・・・そして
僕は 到着した
おそらくあれが今日乗り込むフェリーだろう
僕はチェックインを済ませた後
これからバイクの乗船があるのも忘れ
売店でビールの500ミリℓを買い、
そしてそれを一気に飲み干し、「ふうーー」 と
ひとごこちつけた
フェリーターミナルの待合室
出船まで3時間位あるので
僕は冷房のしっかり効いたここで時間を潰した
昨晩まではアウトレットモールでもいこうか
と思ったがとても暑くて一歩も外に出る気になれない
そろそろ 乗船だろうと外に出て案内を待った
これから北海道に向かうバイクが並んでいた
この時間になると日陰は涼しくなってきた
海風がここち良い
スピーカーでバイクの乗船案内が流れた
僕はヘルメットを被り、セルのボタンを押した
TDMの5バルブが一瞬で目覚める
異音のないリズミカルな排気音だった
「うん、それでいい・・」 と
これから長旅の相棒である愛機に視線を送った
係員の指示を受けて順番にバイクがフェリーに入っていく
僕の番がやってきた
まさか、フェリー内で立ちゴケなどしないだろうな・・
そんな不安がふと頭を過ぎる
立ちゴケは僕の得意技だからだ
だが、タイトなスラロームやクランクがあるわけではなし
(Uターンはあり)
特別問題もなく、案内に従い乗船することが出来た
サンフラワーふらの号 船内はこんな感じだ
そして、僕はチケットに記されたエコノミー部屋へ向かった
一番チープな雑魚寝大部屋だ
ここで僕に新たな不安が沸き起こった
それは事前に調べた文献に書かれてあった
繁栄期のエコノミー部屋は避けるべし!
という教えだった
エコノミー部屋に入り 僕の番号の寝床へ赴いた
寝床はこんな感じ
マットの幅は約50センチ 隣との距離は約15センチ
つまり、65センチが僕に与えられたスペースという訳だ
・・・これは 満杯だと辛いな
と思っていたら、やはり繁栄期
満員御礼
僕の不安は的中し、少し混乱した
エコノミー部屋もいくつかあり
男旅用、ファミリー用、女旅用 と振り分けるのか
僕の部屋は外人の女性が3人位いたが、ほぼ男
マンダムの世界・・・
「商船三井さん、男ばかりはしかたないけど
この、窮屈なのは もうちょっと
なんとかならないのかな」
僕は そう 思った
ただ、きっと答えはこうだろう
「エコノミーがそんな快適だと
上のクラスの客室が売れなくなっちまいますよ
こっちも商売なんで、お客さん」
ということだろう
僕はこれに
ささやかな対抗をすることにした
酒飲んでやる
(いつも飲んでるけど・・)
酔っ払うしかない 酒だ!
僕はそう考えた
へべれけに酔えば、人口密度が多く、
お隣さんの吐息がかかりそうなあの雑魚寝部屋でも
なんとか寝れるだろうと・・
僕はとりあえず風呂に向かった
熱めの湯にサッと浸かり、頭と身体を洗い
風呂から出て、洗濯したてのポロシャツに着替え
展望ルームの隅に陣取り
湯上りのビールを飲んだ
美味し・・ 冷たい液体を胃に流し込みながら
僕はそう思った
(この展望ルームが僕のいこいのスペースになるのであった)
そして出航を迎えた
僕はデッキでビールを飲みながら大洗の町を眺めた
展望ルームに戻り
ビールを何本か開けると
日が暮れて来た
船内のスピーカーからレストランの夕食案内が流れていた
バイキングで1900円だという
・・どうするか? 僕がそう考えていると
事前に読んだある文献を思い出した
それは
「北海道には美味い物がいっぱいある
フェリー内のレストランは高いのでそこで散財するなかれ」
という言葉
僕は ふむふむと頷いて売店に赴いた
あいにく売店にはカップラーメンしかおいてなかった
僕はどん兵衛のキツネうどんとピーチサワーを買い
デッキで月を眺めがらそれを食べた
どんべえをかなり久しぶりに食べたが
「・・うん 悪くない」 僕はそう思った
昔のより麺がモチっとしていて美味しくなっていたからだ
食後、展望ルームで、
来る途中コンビで買ってきたウィスキーを
飲みながら
筒井康隆の 「旅のラゴス」 を読んだ
何十年かぶりに読む筒井ワールドに
うん、これはなかなかの傑作だな、と思った
酔いも回り、目もしょぼついてきたので
僕は そろそろいい頃合か・・と思い
意を決して あの 男の園、エコノミー雑魚寝部屋に戻る事にした
僕の両側の人は既に横になっているが眠ってはいないようだ
僕は 「はい、失礼しますよ、すいませんね、すいませんね」
と言いながらマットと毛布の間に身体をすべりこませた
体勢は仰向け、足は閉じ、手は気をつけの姿勢、
へたに横向き姿勢だと
お隣さんと目が合ってコンニチワしなくてはいけないからだ
周囲から聞こえるイビキや寝っぺ、歯軋り
それらが多重奏になって耳に入ってくる
やれやれ・・
そう思っているうちに次第に意識が遠のいた
・
・
・
なんか、足がジョリジョリするな・・・
と思っていたら知らぬうちにお隣さんと足が絡まっていた
僕は驚いて飛び起き、展望ルームに行った
時間は午前2時、
今、気仙沼沖を航行中だと示している
・・ビールでも飲むか
僕はそう思い 自販機の前に立ち、そしてポケットのコインを探ると
アルコール類発売休止
・・やれやれ 海の上でもコンプライアンス重視ですか
と独り事を言い、飲みかけのウイスキーを
カキピーつまみに飲んだ
展望ルームには僕と同じような人もいるのか
数人がソファーに寝ていた
・
・
うとうとと微睡んでいると、夜明けを感じたので
デッキに出てみた
風はほとんどなかった
船が進む15ノットの風のみ
太平洋のはずだが、湖のような水面
おかげで船はほとんど揺れなかった
陸地が見えてきた
ただ、北海道ではない まだ青森だった
船内のスピーカーからレストランでの朝食の案内が流れてきた
多少高くても 朝はまともな食事をしようか
と僕は思い、レストランに行った
だが、同じ事を思う人が多いのか
レストランは激コミで並んでいた
しかたなく、売店に赴き
今度はどん兵衛の天そばを買った
夜朝 カップ麺か やれやれ・・
僕はそう思った
だが、
昼食も・・・どん兵衛だった
あと、一時間程で苫小牧に到着だという
僕はデッキで海を眺めていた
やはり、関東とは違い肌寒かった
すると前方に一隻の船が見えてきた
前々日に火災を起こしたサンフラワーの深夜便だ
まだ、鎮火しておらず消火活動中のようだ
1人お亡くなりになられたそうで、
ご冥福をお祈りいたします
苫小牧が近づいた
やっぱり空気が関東と全然違う
あのまとわりつくような湿気がない
フェリーが着岸したので
僕はエコノミー雑魚寝部屋に戻り、荷物をまとめた
結局この部屋には都合4時間位しか居なかった
僕の隣人は助かったことだろう
それから、案内に従い、バイクを駐留してあるデッキまで階段で降り、
ライディングジャケットを羽織り、身支度を整えた
上陸の順番を待つ
そして、
めでたく
北海道上陸
そして、
僕は思った
・・さて、 どこ 行くかな?・・ と
次回は
2015北海道旅日記(2)
・・襟裳の春はなにも無い春です 編
では
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Posted by ただのおじん at 08:04│Comments(6)
│2015北海道旅日記
この記事へのコメント
只野先輩、お帰りなさいm(__)m
今回は小説風に仕上げられて、
いつにもまして読み応えありました。
フェリーのエコノミー部屋・・
すごいですね(゜゜;)
見ず知らずのおっさんの隣で・・
その至近距離で寝るなんて・・
どうかしてるぜ・・商船三井さん!
晩朝昼どん兵衛ですか・・
『パパ、ママ、見て見て
あのおじちゃん・・
またどん兵衛食ってるよ(゜゜;)
よっぽど好きなんだね』
みたいな会話が聞こえてきそうです。
これが・・小説なんですね!
続編が非常に楽しみです!
明日・・読めるかな???
今回は小説風に仕上げられて、
いつにもまして読み応えありました。
フェリーのエコノミー部屋・・
すごいですね(゜゜;)
見ず知らずのおっさんの隣で・・
その至近距離で寝るなんて・・
どうかしてるぜ・・商船三井さん!
晩朝昼どん兵衛ですか・・
『パパ、ママ、見て見て
あのおじちゃん・・
またどん兵衛食ってるよ(゜゜;)
よっぽど好きなんだね』
みたいな会話が聞こえてきそうです。
これが・・小説なんですね!
続編が非常に楽しみです!
明日・・読めるかな???
Posted by gama at 2015年08月10日 17:32
フェリーも色々大変なんですね。。
北海道は行ってみたい気もしますが、なかなか一歩踏み出せないです。。
遠すぎる一人旅の不安から(笑)
ところで、ナチュログですが、、
やはり慣れないせいか、アップするのにかなり手間取りますね。。
この記事はかなり時間が掛かりますか?
ちなみに、先日アップした投稿を編集しようと弄ったら、HTMLがなんちゃらとか表示され、何だかわからなくなり、パニクって削除しちまいました。。
また書き直しですわ~。。。。
北海道は行ってみたい気もしますが、なかなか一歩踏み出せないです。。
遠すぎる一人旅の不安から(笑)
ところで、ナチュログですが、、
やはり慣れないせいか、アップするのにかなり手間取りますね。。
この記事はかなり時間が掛かりますか?
ちなみに、先日アップした投稿を編集しようと弄ったら、HTMLがなんちゃらとか表示され、何だかわからなくなり、パニクって削除しちまいました。。
また書き直しですわ~。。。。
Posted by りょしょーか at 2015年08月10日 18:42
只野さん、おかえりなさい。
かっこいいです。只野さん。いつのまにそんなにカッコよくなってしまわれたのですか!
北海道に、心を奪われてしまったようですね。
個人的には、いつもの只野節で書いてほしかった(笑)すみません、わがまま言って。
私も過去に1度だけ、そのフェリーに乗った時があるので、とても懐かしいです(風呂場とか、座った椅子とか)
私は、しばらく連休が取れないので、10月くらいですかね。どこかへ行くとしたら。
続編、楽しみにしています。
かっこいいです。只野さん。いつのまにそんなにカッコよくなってしまわれたのですか!
北海道に、心を奪われてしまったようですね。
個人的には、いつもの只野節で書いてほしかった(笑)すみません、わがまま言って。
私も過去に1度だけ、そのフェリーに乗った時があるので、とても懐かしいです(風呂場とか、座った椅子とか)
私は、しばらく連休が取れないので、10月くらいですかね。どこかへ行くとしたら。
続編、楽しみにしています。
Posted by 山かけ音頭 at 2015年08月10日 19:51
gamaさん
いやいや、男の園、あのフェリーも
今となればいい思い出です。
今日、出勤だったんですが、
昼飯 どん兵衛食っちまいました。
f(^_^)
美味し ですわ (笑)
続きは近々に投稿します。
gama さんの旅日記も宜しくお願いします。
いやいや、男の園、あのフェリーも
今となればいい思い出です。
今日、出勤だったんですが、
昼飯 どん兵衛食っちまいました。
f(^_^)
美味し ですわ (笑)
続きは近々に投稿します。
gama さんの旅日記も宜しくお願いします。
Posted by 只野御仁 at 2015年08月10日 20:55
りょしょーかさん
私もね、北海道って敷居が高かったんですよ、
金と暇が必要ですからね。
でも、ツーリングライダーだったら一度は訪れてみるもんだ、ってのが正直な感想ですね。
ブログですが、私もFC2とかジュゲム
とか経験ありますが、難しくないですよ。そのうち慣れます。
私もね、北海道って敷居が高かったんですよ、
金と暇が必要ですからね。
でも、ツーリングライダーだったら一度は訪れてみるもんだ、ってのが正直な感想ですね。
ブログですが、私もFC2とかジュゲム
とか経験ありますが、難しくないですよ。そのうち慣れます。
Posted by 只野御仁 at 2015年08月10日 21:02
山かけ音頭さん
今回は村上春樹の「ノルウェーの森」の文庫本を片手に入力しました。
いい加減疲れたんで次回からはいつものようにしますわ(^^ゞ
山かけさんもあのフェリー乗ったのですか、船旅も良いもんですね。
休みは10月ですか、忙しいのですね、
是非、良い旅を。
今回は村上春樹の「ノルウェーの森」の文庫本を片手に入力しました。
いい加減疲れたんで次回からはいつものようにしますわ(^^ゞ
山かけさんもあのフェリー乗ったのですか、船旅も良いもんですね。
休みは10月ですか、忙しいのですね、
是非、良い旅を。
Posted by 只野御仁 at 2015年08月10日 21:12